Tobias Matthayのピアノ教育原理

我が家の本棚からピアノ教育に関する本をランダムに取り出してみる。トバイアス・マッセイ(1858年 – 1945年、イングランドのピアニスト、教育者、作曲家)。邦訳書は『ピアノ演奏の根本原理』と『ピアノ演奏弛緩の技法』の二冊が出版されているが、この本は出版されていないようだ。

前書きの日付は、1912年とある。まずタイトルは、”Musical Interpretation-Its Laws and principles And Their Application In Teaching And Performing”。日本語に訳すと『音楽解釈ー仕組みと原理 教育と演奏への生かし方』という感じか。

導入の章に書いてあることを少し紹介してみよう。

教えるということについて。

・生徒に〈教え込む〉ことはできない、生徒が学ぶのを助けることができるだけ。

・生徒の中にも、すべて教えてもらおう、先生に解決してもらおう、という受け身な姿勢がある。まずそれと闘わねばならない。

・生徒が自分の耳を育て、演奏や練習について自分で分析できるよう助ける。

・説明なしで模範演奏を見せる危険性:外面だけ真似てしまう。(例:ルバート)。

生徒についての分析点4つ

1.生徒が実際に何をしているか?

2.何らかの間違いに気づく

3.生徒がその間違いを行っているの理由はなぜか?

4.生徒はどんな心構えを持っているか? それに合った伝え方はどのようなものか? 

〈詰め込み〉と〈教育〉の違い

〈詰め込み〉:先生が自分の思う通りに生徒が弾くように仕向ける→生徒が自分の頭で考えない。

〈教育〉:どこに間違いがあり、どうあるべきかを指摘するだけでは十分ではなく、それが起こっている原因と直し方を伝える必要がある。例1:速い曲でテンポが速すぎる:「もっとゆっくり」ではなく、「裏拍に注意を向けながら弾いてみよう。」例2:遅い曲でテンポが遅すぎる:「もっと速く」ではなく、「長いフレーズを意識して弾いてみよう。」

ということで全体的には、分析的知性を働かせることの重要性が強調されている印象です。ただし、それを先生が音楽への熱意を背景に持って伝えることがなければ、単なる理屈によっては生徒は説得できないでしょう、と付け加えるのも忘れていません。

以後の章も面白かったらまた書きます。

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