分析的音楽療法は精神分析理論と自由即興を組み合わせた方法です。
イギリス人の音楽療法士、メアリー・プリーストリーによって生み出された音楽心理療法の一種で、欧米では主流となっています。
自由即興は、音楽的な美しさや完成度を目指したものではなく、誰にでもできるものです。セッションルームには、音楽の経験・知識・技術がなくても音の出せる様々な楽器をご用意しています。気になる楽器で好きなように自由に音を出す、ただそのことを自由即興と呼んでいます。
なぜ自由即興なのでしょうか?
精神分析の創始者のフロイトは、患者を寝椅子に寝かせ、心に浮かんでくることを検閲なしに語らせることによって、無意識の心の動きを探ってゆく方法を生み出し、これを自由連想と名付けました。
フロイトの少し後にイギリスで活躍した精神分析家のメラニー・クラインは、主に児童分析をしていました。児童に自由連想を促すのは少し難しいので、その代わりに玩具で子供がどう遊ぶかを観察し、遊ぶ子供と対話していく遊戯療法を生み出しました。
自由連想や遊戯療法の代わりに自由即興を用いる可能性に着目したのがプリーストリーでした。気になる楽器で音を出す、ただそれだけのことが、言語とはまた違ったルートで心の深層の動きを浮上させる助けになることを見出したのです。
多くのクライエントさんは、その日ご自身が気になっている話題やテーマについてお話されることからセッションを始めます。私はお話を伺いながら、自由即興で探索する価値がありそうなタイトルやテーマが浮かべば提案させて頂きますし、ご本人がタイトルを決めることもあります。日によっては、話したいことが浮かばないと言う日もあるでしょう、そんな時は、タイトルなしでいきなり即興をしてみる、それによってその日に自分が気になっていたことに気づいたりもできます。
精神分析では言語によって夢分析を行うこともありますが、分析的音楽療法では夢を題材に即興を行うことによって、言語分析とはまた違うプロセスで夢について洞察を深めることができるようです。
セッション頻度は、基本的には毎週をお勧めしていますが、それより少なくてもお受け頂けます。ただし間隔が空きすぎると、安心感の不足やプロセスの密度が薄まり、結果的により時間がかかってしまう可能性もあるようです。セッションの枠組みは音楽の枠組みと同じく、リズム感があることが安心感を高め心を開きやすい空間・関係性につながりますので、定期的にお会いできる日時の枠組みをご相談させて頂いた上で始めることにしています。
